【サービス】方向転換についてのひとつの考え方

【サービス】方向転換についてのひとつの考え方

3.11以降は多くの共同購入サイトが、
カード決済システムを用いて義捐金を募り、
それらが赤十字やCIVIC FORCEなどを経て、
被災地への寄付を後押しした。

その中でポンパレは、
義捐金のみ利用のユーザーについて個人情報は破棄すると発表しているが、
その選択は誤っているのではないか?

むしろ『何か力になりたい』という彼らを巻き込むことで、
次の展開に繋げていくことは出来ないのかという視点から、
今回の記事を記述する。


1. いままでのおさらい

割引率50%×仲介手数料50%=店舗25%

この条件でも出す店舗とは…
 1. リピート率に絶対的な自信
 2. 利益率が高い
 3. 人数が入れば入るほど利益になる
 4. プロモーションと割り切っている
 5. 元の値段を誤魔化す
 6. 内容を誤魔化す
 7. 資金難回避のための最後の勝負

店舗側の意識として、
どうせリピートしない=50%でも利益が出る方法へと変化してしまったときに、
サービス側では徹底することも把握することもできない。

サービス側としては…
 1. 人海戦術による営業・手数料率の値下げなど徐々に消耗戦
 2. 店舗のリピートでラインナップに目新しさに乏しくなる
 3. 販売過多により予約困難となりユーザーからクレーム
 4. 各種メディアによるネガティブな記事などでのユーザー離れ
 5. 理由なきユーザーからのキャンセルやクレームによる返金依頼
 6. 店舗の突然の閉鎖による損害

参入障壁の低さがゆえに、
想定以上の企業が参画し利益を得られない状況が続いたため、
中堅どころでもサイト統合やサービス終了が始まる。


2. 3.11で何が起こったのか

都内のレストランもいまでは平静を取り戻しつつあるが、
卒業イベントなどの掻き入れ時に2~3週間は開店休業状態が続いたことで、
資金繰りが厳しい店舗も表面化していないだけで多数あると推測される。

また義捐金集めを各社が決済システムを用いて行ったとき、
少なくともユーザーは少しでも被災地の力になりたいという想いを持って、
人によっては新規登録を行った人もいるのではないか。

その中でも、
KAUPONから従来割り引いていた50%分を寄付するディールを筆頭に、
コーズマーケティング的手法取り入れるディールもいくつか見られたが、
販売枚数としては4枚と爆発的にはなっていない点を見ると、
まだ時期尚早であるようにも感じる。


3. どうしていくべき

店舗、媒体、ユーザーの3者が、
それぞれ幸せになる方法は単純に値引きだけなのだろうか?

その大きな転換点に、
いま来ているのではないだろうか?
 少し安くなって、
 ほんの少しいいことも出来て、
 美味しいものや素敵な体験を出来て、
 店舗や仕入先へお金が落ちてゆく…

 その理念がブランドとなり、
 真の顧客開拓に繋がっていく時代が、
 訪れるのではないだろうか?

少なくとも私はそのように感じているし、
その入口として共同購入という仕組みは間違いなく使えると感じたし、
バザリングはその方向にいちばん近い方向でスタートしたからこそ、
個人的には非常に注目していたのである。


4. なぜポンパレは間違っていると言ったのか

冒頭でポンパレが誤りだと言ったのは、
義捐金ディールを買ってくれたユーザーたちは、
いままでのハーゲンダッツ券などの一過性のユーザーと比べて、
マーケティングコストとしては遥かに安いだけではなく、
上記の理念を感じ取ってくれやすいのではないか?

モヒカンラーメンさんでは替玉義捐金を行い、
豚組の中村さんの働きかけによる『ワンドリンクfor東北』など、
これらの事例は共同購入型で行われたものではないけれど、
支援の形はいろんな形があっていいように思う。

日本経済の生きた血を止めてしまわないよう
ユーザーもいまこそお金を廻すことが大切であるし、
自粛色の強い日本経済を共同購入という手法で後押しをしていくことも意義があるし、
共同購入サイトの汚名返上の大チャンスとも捉えられる。


5. まとめ


今回の震災復興へ向けて、
被災地へのお金の支援も東北の特産物を選んで買うという意味での支援も、
単発ではなく中長期的に行っていかなければならない。

だからこそ、
何か力になりたいと考えるユーザーと、
空きが出来た今まで出したことのない有名なレストランなどの店舗とを
被災地を繋ぐディールで付加価値を提供してこそ、
みんなが幸せになれるのだと私は感じている。

義捐金ひとつ取っても、
赤十字に募金するのが正しいのか?

もっと現地で支援してくれるNPO団体を選んだり、
元々仕入れを行っていた東北の食材を安全を確認した上で、
いままで以上に仕入れて使うという店舗のこだわり…

美味しさや雰囲気やコスパも大切だけれど、
そういった素敵な店舗の持っているこだわりという名の熱い想いとか、
其処に集まってくる常連さんが創り出す空気とかも含めて、
常連さんは生まれていくのではないだろうか。

そういった思想の支援までをも
1サービスがすべきとまでは言わないが、
中長期的に考えたときに『お得さ+α』のαの価値だけで買ってくれる
素敵なユーザーさんを増やすこともサービスの差別化であり、
強さに繋がっていくように感じる。

もしかしたら、
『地域の商店街、繁華街の灯を消さないように』
という思想を大切にしてサービスを運営するのであれば、
一企業でやるよりも各地方自治体が持つ方が
健全なのかなと感じることもありますが…


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